地盤防災
部門

わが国では各種の自然災害によって、毎年多くの物的・人的被害が生じています。
自然災害の形態は、地震・洪水・高潮(津波)・土砂災害・火山噴火等、非常に多岐にわたりますが、
自然災害の発生には地盤条件が少なからず関連しています。
これらの防災検討には、
地盤調査・解析等の地質工学的手法から、防災情報システムやリスク評価などの社会工学的手法まで
広範な技術が要求されます。当社では、これらの技術要求に対応するための調査手法の
高度化や解析手法の開発等に取り組み、経済的で効果的な防災対応の提案を行っています。

  • 防災地盤調査・動態観測

    防災地盤調査・動態観測では、自然災害の『素因』と『誘因』を把握して発生機構を分析し、災害の形態・規模・範囲及び発生条件(進行程度)を的確に想定することが重要となります。防災地盤調査・動態観測では、地表踏査(防災点検)・ボーリング調査・計器観測等の様々な手法を活用し、地域特性に対応した調査・観測を提供します。

    ■Topics-1:岩盤斜面崩壊調査
    (亀裂調査・緩み域調査・キーブロック解析)

    急崖を形成する岩盤斜面の調査では、作業上の制約条件からレーザ測量等による微地形測量が有効となります。また、岩盤斜面では不連続面の分布が斜面の安定性に大きく影響するものと考えられ、真空透気試験による表層緩み域調査や、写真測量・ボアホールTVによる亀裂解析並びにキーブロック解析(くさび型~平面すべり型)が有効です。

    ■Topics-2:城郭石垣の動態観測

    近世城郭の石垣等の歴史的構造物の観測では、長期間にわたって変状の有無や進行程度を監視することが必要となります。このような特殊な構造物では、

    • 目視巡回調査による現況把握
    • 評点法による現況分類(ブロック分割)
    • 管理基準の策定と運用
    • 管理レベルに対応した動態観測手法の導入
    • 動態観測結果による評点及び管理基準の検証等を組み合わせた動態観測が有効と考えられます。

    また、観測内容の高度化等の点から

    • 非接触型の動態観測手法
    • 常時微動を利用した構造特性調査手法の新規観測手法の開発に取り組んでいます。

    主な業務実績

    • 【海外】プロジェクト研究「開発事業における防災配慮手法」:(独)国際協力機構
    • 平取穂別線災害防除工事(道州制)地すべり調査:北海道室蘭土木現業所苫小牧出張所
    • 地すべり対策事業神有調査業務委託:山梨県峡南地域振興局市川建設部
    • 急傾斜地崩壊対策工事(住居野東部地区調査業務委託):埼玉県本庄県土整備事務所
    • 名国管内道路防災カルテ点検調査業務委託:国土交通省 中部地方整備局 名古屋国道事務所
    • 土砂災害防止基礎調査:国土交通省 関東地方整備局 八ッ場ダム工事事務所
    • 付替村道落石対策検討業務:(独)水資源機構 荒川ダム総合事業所
    • 小滝地区他地質調査及び動態観測業務:国土交通省 北陸地方整備局 松本砂防事務所
    • 道路のり面等点検調査業務委託その3:埼玉県秩父県土整備事務所
  • 災害調査

    災害発生時の現地調査は、緊急対応等を立案するための重要な資料となるとともに、類似災害に関する被害予測や対策検討における基礎資料となります。災害時には、このような災害状況調査を土木設計部門と連携して行って、災害要因分析や対応検討等を実施します。

    発生年 区分 主な調査項 関連資料
    2000年(H12年) 火山災害(有珠山噴火) 被害状況調査(隆起・沈下・構造物変状等)
    2000年(H12年) 地震災害(鳥取西部地震) 被害状況調査(隆起・沈下・斜面崩壊・家屋被害等)地震断層付近の変状
    2000年(H12年) 落石 落下軌跡調査(立木との接触・跳躍位置)斜面末端部での速度推定・再現解析
    2003年(H15年) 地震(十勝沖地震) 道路盛土の変状調査変状要因の推定
    2004年(H16年) 地震(中越地震) 被害状況調査(斜面崩壊・構造物変状・液状化等)
    2005年(H17年) 地震(福岡県西方沖地震) 被害状況調査(斜面崩壊・沈下・液状化等)
    2006年(H18年) 落石 落下軌跡調査(跳躍位置)斜面末端部での速度推定・再現解析
    • 発生年:2000年(H12年)

      区分:火山災害(有珠山噴火)

      主な調査項:被害状況調査(隆起・沈下・構造物変状等)

    • 発生年:2000年(H12年)

      区分:地震災害(鳥取西部地震)

      主な調査項:被害状況調査(隆起・沈下・斜面崩壊・家屋被害等)地震断層付近の変状

    • 発生年:2000年(H12年)

      区分:落石

      主な調査項:落下軌跡調査(立木との接触・跳躍位置)斜面末端部での速度推定・再現解析

    • 発生年:2003年(H15年)

      区分:地震(十勝沖地震)

      主な調査項:道路盛土の変状調査変状要因の推定

    • 発生年:2004年(H16年)

      区分:地震(中越地震)

      主な調査項:被害状況調査(斜面崩壊・構造物変状・液状化等)

    • 発生年:2005年(H17年)

      区分:地震(福岡県西方沖地震)

      主な調査項:被害状況調査(斜面崩壊・沈下・液状化等)

    • 発生年:2006年(H18年)

      区分:落石

      主な調査項:落下軌跡調査(跳躍位置)斜面末端部での速度推定・再現解析

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