地盤調査
部門

地盤調査では、野外における地形・地質踏査から室内における土質・
岩盤応力などの数値解析まで、
種々の調査手法が用いられます。
私たちはこれらの調査を有機的に結びつけることによって効率よく
調査作業を進めるとともに、各調査結果を総合的に評価して、
設計・施工に関する問題点の抽出や施工方法等の検討を行います。

  • ボーリング調査

    インフラ整備や防災などの計画・設計・施工において、地質状況は必要不可欠な要素となります。ボーリング調査は、1)コアによる直接的な地質性状把握、2)孔内物性を把握する試験孔、3)計器設置によるモニタリングなどを目的に実施します。

    当社では、地震観測井掘削など深部掘削の実績に基づくハイレベルな掘削技術を活かし、様々なニーズに対応したボーリング調査を実施します。

    深尺やぐら

    中型SEPによる海上ボーリング

    主な業務実績

    • 北海道新幹線、内浦トンネル地質調査:(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北海道新幹線建設局
    • 田野畑地区外地質調査:国土交通省 東北地方整備局
    • 荒川さいたま地区外地質調査業務:国土交通省 関東地方整備局
    • 利賀ダム岩淵地区貯水池法面地質調査業務:国土交通省 北陸地方整備局
    • 設楽ダム長江八橋地区地質調査業務:国土交通省 中部地方整備局
    • 伯母峯峠道路伯母谷地区他地質調査業務:国土交通省 近畿地方整備局
    • 城原川ダム右岸地質調査業務:国土交通省 九州地方整備局
    • 中央自動車道(特定更新等) 勝沼地区地質調査:中日本高速道路(株)
    • 米子自動車道 伯耆南地区構造物基礎調査:西日本高速道路(株)
  • 地表調査

    地表地形地質踏査は、地質調査において基本となる調査です。空中写真判読や文献調査などの机上調査実施後、地表の露頭や微地形を面的に踏査します。

    岩盤性状、亀裂系解析結果や断層破砕帯の分布から、地下地質構造の推定や土木構造物・斜面防災に関わるリスクを抽出し、解決策を提案します。

    露頭スケッチ状況

    地表地形地質踏査状況

    主な業務実績

    • 沼田一砂川付近の断層帯の活動性調査:(独)産業技術総合研究所
    • 西山断層帯 嘉麻峠区間における断層活動性調査:(独)産業技術総合研究所
    • 北海道新幹線立岩地区断層調査:(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構
  • 原位置試験・計測

    地下空間の利用においては、地下空間の建設に伴う事前の計画や実施設計のための調査だけでなく、施工中や地下構造物完成後の影響予測のできる調査が求められています。

    当社では、真空透気試験機や水圧破砕試験機などの測定装置を開発・導入するとともに、高精度測定装置の開発に取り組んでおり、トンネルゆるみ領域の推定や深部応力測定など、地下深部に関わる様々な情報を提供します。

    真空透気試験概念図

    推定ゆるみ領域解析例

    主な業務実績

    • 米国CO2圧力サイトにおける微小振動設置及びデータ収録処理作業 :(公財)地球環境産業技術研究機構
    • 由比地すべり地質調査:国土交通省 中部地方整備局
    • 宇奈月ダム法面挙動等計測解析業務:国土交通省 北陸地方整備局
  • 室内試験

    当社土質試験所では、室内土質試験および室内岩石試験を実施しています。さらには、新技術を応用した各種試験装置・計測装置の開発を行っています。

    各種試験においては最新の試験装置を取り揃え、技術の進歩とともに多様化する様々なニーズに対応できる体制を整えており、「亀裂を有する岩石の多段階三軸試験:道路橋示方書」の実施、「岩盤不連続面における一面せん断試験装置の製作」や「LDTの活用」、そして「地盤改良における配合試験方法のシステム化」などの研究開発にも力を注いでいます。

    また、当社系列会社において各種化学分析の試験も実施しております。

    土質試験所全景

    主な試験装置の紹介

    • 4連三軸圧縮試験機(Ko制御・測定可)

      4連三軸圧縮試験機
      (Ko制御・測定可)

      供試体寸法:
      径 35、50、74mm
      最大側圧:
      1MPa
      せん断速度:
      0.002~2mm/min
    • 中空ねじり試験機

      中空ねじり試験機

      供試体寸法:
      外径100mm、内径60mm/
      外径70mm、内径30mm
      周波数:
      0.1~10Hz
      波形:
      sin波、矩形波、三角波
      最大側圧:
      1MPa
    • 動的三軸試験機(液状化、変形特性)

      動的三軸試験機
      (液状化、変形特性)

      供試体寸法:
      径 50mm
      周波数:
      0.1~10Hz
      波形:
      sin波、矩形波、三角波
      最大側圧:
      1MPa
    • 高圧三軸圧縮試験機

      高圧三軸圧縮試験機

      供試体寸法:
      径 35、50、65、74mm
      最大側圧:
      10MPa
      せん断速度:
      0.001~5mm/min

    特殊な試験・技術の例

    LDTによる微少歪みの測定

    構造物荷重の増加等によって生じる地盤の変形はとても重要な意味を持っています。そしてこれらに対応する変形特性を調べる試験では、微少ひずみを精度良く測定することが重要です。

    LDTは、薄い板バネの中央部に4枚のひずみゲージを貼り付けたセンサーで、上面の伸びと下面の縮みを利用して両端間の微少な局所変位を直接測定する事が出来ます。一般的なリニアゲージやタッチセンサーを使用した測定では、試験機の剛性や供試体とのタッチングからくる不必要な変形まで測定してしまいますが、LDTは供試体の変形のみを測定する事が出来ます。

    写真のようにLDTを供試体に直接取り付け、鉛直方向にセットすることで軸ひずみを、水平方向にセットすることで側方ひずみが測定できます。防水加工処理により、動的変形試験、土の三軸圧縮試験、さらには高圧で行われる岩石の三軸圧縮試験にも使用可能です。

    岩石の一軸圧縮試験

    岩石の三軸圧縮試験

    土質の三軸圧縮試験

    岩盤不連続面の力学試験

    節理やジョイントなどの岩盤不連続面は岩盤の強度・変形特性に大きな影響を及ぼします。当社では、岩盤不連続面の力学と特性を把握することを目的として、岩盤不連続面の一面せん断試験および垂直剛性試験を実施しています。このうち、一面せん断試験については、当社で開発した一面せん断試験装置を使用しています。

    一面せん断試験装置(当社開発)

    垂直剛性試験

    盛土材料試験

    盛土の設計・施工においては、盛土材料の力学試験が必要になります。写真左は、径の大きな礫を含む盛土材料の大型三軸圧縮試験(直径30cm×高さ60cm)の様子です。写真右は、現場における盛土材料の粒度試験(ふるい分け)の様子です。

    大型三軸試験(Φ30cm×H60cm)

    現場粒度試験

    スレーキング試験

    モンモリロナイトなどの膨潤性粘土鉱物を含む岩盤では、掘削後、短期的に著しく劣化が生じる場合があります。このような現象をスレーキングと呼び、比較的新しい第三紀の泥岩などによく見られる現象です。写真左は採取したボーリングコアに対する浸水崩壊度試験の結果です。この泥岩は現場の露頭においては写真右のようなタマネギ状風化の様相を呈しています。

    泥岩コアの浸水崩壊度試験

    泥岩露頭のタマネギ状風化

    防空壕の残柱モデル

    写真左は残柱式で掘られた防空壕の様子です。写真の残柱は上部から作用する地盤の荷重(土被り圧)を支えてきましたが、戦後60年を経て、残柱には亀裂が発生し表層部の岩塊が剥離しています。現在の残柱の強度を評価することを目的として、現地から採取した岩塊を用いて写真右のような角柱状モデルを作成し、上載荷重を作用させました(一軸圧縮試験)。角柱状供試体には、残柱と同じ斜め方向のせん断亀裂が発生し、表層部の剥離が生じています。

    防空壕内の残柱の変状

    残柱をモデル化した試験

    トンネル覆工の中性化試験

    近年、トンネル覆工の崩落などに代表されるコンクリート構造物の劣化が問題となっています。写真は道路トンネルにおいて採取してきた覆工コンクリートの中性化試験の様子です。採取してきたコンクリートコアを割裂し、フェノールフタレイン水溶液を噴霧して赤紫色に変化すれば問題がありません。写真右の結果では、いずれのコアもトンネル表層数cm程度の中性化が認められています。

    コンクリート・コア供試体における中性化試験

    試験結果(上:試験前,下:試験後)

    地盤改良のための配合試験

    軟弱地盤において強度(支持力)・変形(沈下)が問題となる場合には、何らかの地盤改良工法が必要となります。軟弱地盤の対策工法には、その目的や対象深度そして構造物の規模などによりさまざまのものが開発されています。このうち、軟弱土層にセメント系の改良材を混入して地盤の強度増加を図る工法が多く用いられています。このとき、改良材のタイプと配合量を決定するために行うのが配合試験です。

    セメント系固化材を使用した地盤改良については、平成12年度に旧建設省(国土交通省)から「セメントおよびセメント系固化材の地盤改良への使用及び改良土の再利用に関する当面の措置について(平成12年3月24日)」という通達が出されています。これによると、土と固化材を混合することにより六価クロムが溶出する場合があり、そのためセメント改良土を新たに施工する場合および再利用する場合には、「環境庁告示46号溶出試験」に基づく六価クロムの溶出試験を行うものとされています。

    1. 配合材量の作成
      (配合材混合・攪拌)

    2. 供試体作成(モールド打設)

    3. 配合供試体の一軸圧縮試験

    お問い合わせ先

    • サンコーコンサルタント株式会社 地質部

      〒136-8522 東京都江東区亀戸1-8-9 
      Tel 03-3683-7122/Fax 03-3683-7109

    • サンコーコンサルタント株式会社 土質試験所

      〒182-0025 東京都調布市多摩川 1-4-1 
      Tel 0424-89-5936/Fax 0424-89-5937

      担当:内田

  • 地質リスクマネジメント

    我が国の複雑な地質条件や地質情報の把握不足等により、施工時に手戻りや構造物の設計変更等が発生し、事業コストや工期が増大するケースがあります。事業の構想・計画、調査・設計、施工、供用の各段階において、地質に関わるリスクをマネジメントすることで事業の工期・費用変動の最小化が期待されます。

    建設工事で発現する地質リスクは、地質、土質、地下水条件に加え、対象の構造物、事業段階によっても異なるため、様々な専門技術者との連携や調査・解析手法の適用により、地質リスクの抽出・評価に取り組んでいます。

    主な業務実績

    • 令和元年度三遠南信地域地質リスク検討業務:国土交通省 中部地方整備局
    • 土木事業における地質・地盤リスクマネジメントに関する検討業務:(国研)土木研究所

技術関連

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採用関連

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