配合試験計画のフロー

 地盤改良のための配合試験を計画する場合、浅層改良の場合には表層部の対象地盤を比較的簡易な方法(ブロックサンプリングや掘削など)によってサンプリングすることができます。しかし、深層混合処理などの場合、対象土層が地下に分布すること、また複数の土層を対象とすることから、ボーリングによるサンプリングを行う必要があります。以下には、配合試験およびそれに必要なサンプリングの計画立案についてまとめています。
ボーリングによるサンプリング作業

1土層あたりの試験数量
項   目 数 量 内   容
改良材 NPC(普通ポルトランドセメント)および高炉Bセメントの2材料
添加量 50kg/m3,100kg/m3,150kg/m3の3添加量
強度試験供試体 一軸圧縮試験1添加量あたり3供試体
強度試験・材令 7日および28日の2材令
合計供試体数 [a] 36 2×3×3×2×=36供試体

必要なサンプリング量
〜軟弱土層を対象としたシンウォール・サンプリングによってサンプリングを行う場合。

@ サンプラー1本当たりの採取量
  サンプラー内径 7.5 cm
  サンプラー採取長さ 80 cm
  採取量 [b] 3,534 cm3
A 配合供試体1本当たりの量(体積)
  配合供試体直径 5.0 cm
  配合供試体高さ 10.0 cm
  配合供試体体積 [c] 216 cm3 (モールドの余盛りを1cmとする)
B 必要サンプリング数
  全配合供試体体積 [d] 7776 cm3 (供試体数[a]×供試体体積[c])
  サンプリング割り増し係数 [e] 1.3 (サンプリングの採取率に対する割り増し)
  必要とするサンプリング数 [f] 2.86 (全体積[d]÷採取量[b]×割り増し係数[e])
  採取するサンプリング本数 [n] 3本 (計算によるサンプリング数[f]より)

※ 必要サンプリング量は、対象土質・配合方法(改良材を粉体で混ぜるか、ミルク状にして混ぜるかなど)により供試体作成前後の体積および密度の変化を伴うので、必ずしも計算どおりにはならないが、おおむね上記の考え方でサンプリングを行えば試験に必要な量はまかなうことができる。なお、実際のサンプリングについては、必ずしも採取長さが上記どおりとは限らないので、長さで換算したほうがよい。

配合試験計画例

 右図のような土層において図中の範囲を改良対象範囲とする場合、@対象となる各土層の全てについてサンプリングが必要となります。さらに、A層厚の大きな沖積粘性土層[Ac2]については、層厚に応じて複数の深度でのサンプリングを行います(図の例では2深度)。これらの各サンプリングについて、上記の必要サンプリング量(本数)が必要となります。このとき、改良材および配合量のパターン数については、任意のものとなります。

対象土層 サンプリング数量
沖積砂質土層[As1] シンウォール3本
沖積粘性土層[Ac1] シンウォール3本
沖積砂質土層[As2] シンウォール3本
沖積粘性土層[Ac2]-@ シンウォール3本
沖積粘性土層[Ac2]-A シンウォール3本
洪積砂質土層[Ds]  
総    数 シンウォール15本