水文調査
部門

「水文」って、一体何でしょうか? 天体に関わる現象を「天文」、
人間の関わる現象を「人文」と呼ぶことがあるように、地下水や
地表水など、「水の関わる様々な現象」を「水文」と呼びます。
当社は、このような「水の関わる様々な現象」を多彩な調査手法と総合的な解析技術を用いて解明し、
施工や防災・環境問題に役立つ情報の提供、各種コンサルティングを行います。

  • 水文調査

    社会の発展に欠かせない様々な構造物の施工は、その一方で、周辺の地形条件や地盤条件の改変を伴うため、様々な地下水問題を引き起こすことがあります。これら施工に起因する地下水問題は、以下の2つの側面に大別できます。
    1) 地下水の存在に起因する、施工や構造物への悪影響
    →掘削時の異常出水、出水に伴う崩壊、掘削底盤の盤ぶくれ、etc…
    2) 施工や構造物の存在に起因する、周辺地下水環境への悪影響
    →地下水位の低下・上昇、水源の枯渇・減水、地表変位、etc…

    当社は、このような「地下水に関わる諸問題」に効果的かつ経済的に対処するため、施工開始前(事前)~施工開始後(事中)~竣工後(事後)にわたる総合的な調査・検討を進めていきます。



    線状地下構造物の施工に伴う周辺地下水環境への悪影響(左図)とそれらを回避・低減する「地下水流動保全工法」の適用例(右図)のイメージ。
    《主な着眼点とキーワード》
    (事前調査)
    ◾周辺地下水環境の把握
    ◾施工に伴う問題点の抽出、影響予測
    ◾対策手法の提案、効果検討
    ◾施工開始後の監視体制の立案
    (事中調査)
    ◾影響の監視及び評価(モニタリング)
    ◾対策手法の効果検証
    (事後調査)
    ◾影響の収束状況の判定
    ◾対策の将来的な有効性の検証
    etc…

    主な業務実績

    • 上尾道路地下水流動分析調査:国土交通省 関東地方整備局
    • 国道8号柏崎バイパス水文調査業務:国土交通省 北陸地方整備局
    • 南三重水文調査検討業務:国土交通省 中部地方整備局
    • 丹波綾部道路他水文調査業務:国土交通省 近畿地方整備局
    • 玉島笹岡道路六条院中部地区水文調査業務:国土交通省 中国地方整備局
    • 東九州道水文調査・検討外業務:国土交通省 九州地方整備局
    • 東京外環自動車道 小山~高谷間地下水観測業務:東日本高速道路(株)
    • 田上地区水文調査:西日本高速道路(株)
    • 令和4年度川下改良水文調査業務:国土交通省九州地方整備局大分河川国道事務所
    • 令和4・5年度八木山バイパス水文調査業務:国土交通省九州地方整備局北九州国道事務所
    • 令和5年度国道8号柏崎バイパス水文調査業務:国土交通省北陸地方整備局長岡国道事務所
    • 磐越自動車道 長谷地区水文調査(その2):東日本高速道路株式会社新潟支社新潟工事事務所
    • 山形管内水文調査業務:国土交通省東北地方整備局山形河川国道事務所
    • 精華拡幅事業地下水調査業務:国土交通省近畿地方整備局京都国道事務所
  • 地下水環境保全

    地下水は、一般に良質で水温変化も少なく大規模な取水供給施設を必要としない等の優れた特長を有するため、古来より「身近な水資源」として位置づけられてきました。

    近年でこそ、都市化の進行に伴った地下水涵養量の減少等によって井戸や湧水の姿が消えつつありますが、例えば2005年版「日本の水資源」でも「都市用水の約26%が地下水に依存する」とされ、現在もなお重要な水資源の一つと位置づけられます。さらに最近では、地下水の特性を活かした新たな利用方法の開発・研究や、生活環境における「憩いの場」としての位置づけが重要視される等、一方、都市化の進行に伴う涵養域減少や汚染物質の増加によって各地で地下水の減少や湧水の枯渇、水質悪化が顕在化しています。2014年には、水循環基本法が施行され、健全な水循環の維持・回復のため、流域として総合的かつ一体的な管理をしていくことが必要となり、地下水環境の保全に関わる諸問題は従来以上の注目課題といえるでしょう。

    これらの課題に対処するためには、本来「地下水の量」や「水質」を単独に捉えるのではなく、「水は方円の器に従う」との言葉のとおり、対象地の地質条件や地質構造、いわゆる「地下水の器(うつわ)」を水文地質学的に捉えるとともに、地下水の供給源や流動系統に関する情報も加えた総合的な考察・検討を行った上で、地下水の賦存形態や流動状況を把握する必要があります。

    当社は、種々の調査・検討で培った技術力と経験を総合し、今一度、「水資源としての地下水」「環境要素としての地下水」を取り戻すための手助けをしていきたいと考えています。

    水循環に関する啓発活動

    国の施策として、水循環の重要性から平成27 年に水循環基本計画が決定し、水は公共性の高いものと位置付けられました。また、持続可能な地下水保全と利用の推進を図るために、地域の実情に応じた地下水マネジメントに取り組むことが示されています。

    これらを実現させるためには、まず水の流れをよく知ってもらう事が重要なため、当社は、官公庁や一般の方向けに水循環に関する啓発活動を実施しております。今後も健全な水循環が持続する社会になるように貢献していきたいと考えています。

    水循環に関する啓発活動①

    水循環に関する啓発活動②

    主な業務実績

    • 東京都湧水涵養域調査:東京都
    • 地下水保全対策事業モニタリング調査・検討:神奈川県箱根町
    • 地下水環境保全調査:神奈川県真鶴町
    • 静清地域地下水利用実態調査:静岡県
    • 山崎川湧水湧出状況調査:愛知県名古屋市
    • 茂ヶ野水源地水源域調査:熊本県人吉市
    • 令和5年度 河川改修工事 県単(その7)小出川遊水地環境保全検討業務委託:神奈川県藤沢土木事務所
    • 地下水モニタリング調査等委託:神奈川県足柄下郡箱根町
    • R6真鶴町地下水環境保全調査業務委託事業:神奈川県足柄下郡真鶴町
  • 地下水汚染・土壌汚染

    「地下水環境や水文環境の保全」という観点において、地下水流動の保全と並んで重要な、もう一つの課題は「質」の問題です。

    地下水汚染・土壌汚染問題は、昭和57年度実施の「地下水汚染調査(環境庁)」を契機に社会的に脚光を浴び、現在までに「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針」や「土壌汚染対策法」が策定・施行される等、様々な取組みが行われていますが、例えば「硝酸・亜硝酸性窒素」の様に、全項目中最多で推移しているものもあり、今後も継続的な取組みが必要といえるでしょう。

    これら「地下水汚染,土壌汚染」の問題に効果的に対処するためには、汚染状況の把握や応急対策を行うだけでなく「周辺の地下水流動機構」も十分に把握した上で「汚染機構の総合的解明」や「恒久的対策の検討」を行っていく必要があるでしょう。

    当社は、永年の「水文環境調査」で培ってきた知識・経験を総合的に活用し、例えば右図の様な調査フローで「地下水・土壌汚染の回避・低減」を目指して行きたいと考えています。

  • 水文解析・地下水解析

    地下水流動阻害や地下水汚染等、「水文環境・地下水環境に対する諸問題の回避・低減」のためには、対象地周辺における地下水の賦存形態・流動機構を十分に把握するだけでなく、例えば「施工による影響」や「対策工の効果」に関する適切な予測・検討が重要です。

    当社は「三次元地下水シミュレーション(飽和-不飽和浸透流,移流・拡散)解析」と豊かな経験をツールとして、これらの諸問題を解決していきます。

    トンネル施工に伴う地山地下水位の低下状況(予測解析結果)

    主な業務実績

    • 北海道新幹線、羊蹄トンネル地下水影響調査:(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北海道新幹線建設局
    • 中部横断道水文調査:国土交通省 関東地方整備局
    • 津軽蓬田トンネル湧水量解析他:(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 青森新幹線建設局
    • 北幹、豊野町水源施設影響予測他:(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構 北陸新幹線建設局
    • 南三重水文調査検討業務:国土交通省 中部地方整備局
    • 大和北道路水文地質調査業務:国土交通省 近畿地方整備局
    • 露天坑周辺の地下水流動解析及び物質移行解析:(独)日本原子力研究開発機構
    • 令和4年度川下改良水文調査業務:国土交通省九州地方整備局大分河川国道事務所
    • 象潟地区水文調査:国土交通省東北地方整備局秋田河川国道事務所
    • R5新笹子トンネル水文調査検討業務:国土交通省関東地方整備局甲府河川国道事務所

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