河川・砂防の研究から、
その分野のコンサルタントに

学生時代は、土木工学を中心に学んでいました。水理学が好きで、水に関わる研究がしたくて河川砂防関係の研究室を志望し、そこでは大学院までの約3年間、主に総合土砂管理に関わる研究を行っていました。私の就職活動は、まさに就職氷河期に突入した時期でしたが、河川・砂防に関する調査・計画・設計の仕事ができるコンサルタントとして内定通知をいただくことができました。熱心にお声がけいただいたことも、当社への入社のきっかけとして大きかったです。

千曲川の災害復旧では
対策工法の決定を担当

令和元年度に発生した千曲川の災害復旧は忘れられない仕事です。千曲川河川事務所管内で最も大きく被災した、「堤防決壊箇所」と「鉄道橋落橋箇所」の2箇所の復旧業務です。どちらも時間的な余裕がない中で、応急復旧と本復旧の対策工法を適切に決定する必要がありました。特に、堤防決壊箇所の復旧については、「耐越水対策」という、これまであまり事例のない現象に対する対策工法を短期間で抽出することが求められました。非常に厳しい状況でしたが、客先や学識経験者の方々の助言を受けながら、何とか対策工法を決定することができました。また鉄道橋(赤色の鉄橋)の落橋現場については、工事完了後に鉄道の開通を目にした時は、感慨深い気持ちになりました。

コンサルタントの信頼は
経験に裏付けられる

我々コンサルタントは、お客様とのコミュニケーションが大変重要です。お客様が我々に何を望んでいるのかを理解し、そのニーズに合った対応を心がける必要があります。経験が少ないときには、お客様からの質問に対する回答の引き出しが少なく、不安感が先立つためコミュニケーションが消極的になりがちです。一方経験を積んだ後は、余裕を持った回答が可能となり、自信がつきコミュニケーションも能動的となります。回答の質が上がり必然的に信頼感を得ることに繋がるという好循環が生まれます。お客様からの信頼の度合いは、そのあとの仕事を円滑に進められるかに関わるので、経験の蓄積を意識することが大切です。

継続と研鑽を通して仕事は面白くなる

入社した頃に読んだビジネス書の、「仕事は5年間続けないと理解できない」という一文を見て、最初の5年間は何があっても辞めないと決めていました。続けてみると心に余裕が生まれ、徐々にではありますが、自ら課題を解決できる楽しみを仕事の中に見出せるようになりました。数多くの河川構造物に関する計画、設計に携わってきましたが、「同じ案件」は一つとしてありません。我々の仕事は、現場条件、環境条件に合った最適な施設を計画・設計する必要があります。20年以上働いてきた今でも、新しい現場で新しい課題が生まれます。そしてこれら課題を解決するためには、常に新しい情報を外部から得て技術の研鑽に励むとともに、自分の知識や経験の幅を広げる努力が必要です。あとはその努力が面白いと思えるかが大切ではないでしょうか。

若手のテクニックに学ぶ部分も

最近の若手社員は、プレゼンテーション能力の高い人が多いです。作成するプレゼン資料も視覚的に分かりやすい資料を作成します。また、ChatGPTなどの最新技術を積極的に活用するといった、柔軟性の高い働き方を自然に行っており、我々もそのような姿勢は学ばなければいけません。
一方で、若い世代には会社の支援制度を積極的に活用してほしいと思っています。私が技術士を取得したのは今から9年前ですが、技術士取得支援については会社からは口頭試験対策として模擬面接をしていただきました。また先輩方から作成論文事例や口頭試験で聞かれた質問集などを譲り受け、学習時に参考としました。現在は希望者には申し込み段階から社内講習会や添削支援を行うなど、私の時よりもさらに支援環境が充実しています。

組織全体のスキル向上を担うのが
今後の目標

現在は管理職として大きなチームをまとめる立場にあるため、総合監理部門の技術士資格を取得し、組織のマネージメントスキルを高めることが当面の目標となります。また、河川一筋で専門技術の習得と経験値の蓄積を図ってきましたが、今後は業務の生産性向上や新しい価値の創造に向けた取り組みがより重要となってきます。そのためには、同業他社や異業種からの情報収集を積極的に行い、現場に導入できそうな新技術を抽出することが当然の目標となります。我々のようなベテラン技術者だけでなく、若手技術者からも積極的に新技術導入に向けた提案が数多く生まれてくるような組織環境作りを目指していきたいです。

とある1日のスケジュール

9:00

出社

1日のスケジュールやメールの確認、管理職の事務処理作業を行います。

10:00

ミーティング・デスクワーク

各業務の進捗状況や問題点などを部下から報告を受け、対応方法について話し合います。午前中は、主に自分以外の人が円滑に作業を進められるための時間としています。

12:00

昼食

天気の悪いときは近所でお弁当を買ってデスクで食べますが、普段は散歩がてら安くて美味しい定食屋さんに通っています。

13:00

訪問やウェブ会議

業務の進捗状況を報告し、さらに業務を進めるための条件確認をするため、発注者のもとに訪問してミーティングを行います。最近ではウェブ会議となるケースも多いです。

15:00

ミーティング・デスクワーク

発注者との会議結果を受け、課題の対処方法や議事録作成時のポイントをメンバーと共有し、今後に向けた作業段取りや資料作りを行います。

19:00

退社

週末やノー残業デーにはチームメンバーや友人と飲みに行くこともあります。